金融知識を通じて社会を考えよう(1)

たとえば新聞なら毎朝「○○新聞」を読むとか、居酒屋なら「○○屋」、ピールは「○○ビール」など、いつも決まった選択をしているものがいろいろあるものです。
それは、この店なら間違いない、このメーカーのものは安心だとか、自分の経験に基づいて評価していることになります。

その場合、見方を広げてみれば、「○○新聞社」や「○○屋」に一票を投じていると言うことができるでしょう。
その企業、その店、その商品を支持して応援しているというわけです。

購入するという意思表示は、市場での経済的投票を行なっているという意識は、実はとても大切なことなのです。
なぜなら、一人一人の経済活動一つ取っても、そこから社会の動きに影響を及ぼしていくことができるからです。

 

実は、金融商品の世界でも、そういった動きが近年見られるようになって来ました。
例えば、エコファンドという環境に配慮した企業の投資信託商品は、ずいぶん以前からあり、比較的女性に人気があります。
地球環境に配慮した経営が行なわれている企業を対象とした投資商品で、社会的に意識の高い人々や、女性の購入者の比率が高いと言われています。
同じ投資でも、せっかくの資金運用に、ただ利益性だけでなく、社会に役立ちたいとの思いを反映させよう……という発想から生まれたもので、個々の力は小さくても、集約することで大きな時代の潮流になり得ます。

また、東日本大震災のような未曾有の大災害の復興支援にも、こうした発想から生まれた投資が活用されています。
店舗や工場が丸ごと津波に流されて、商売の見通しが立たなくなってしまった多くの企業がありました。
そのとき、特定の企業や商店の再興に向けたファンドの募集があちこちで始まりました。
被災地支援ファンドと呼ばれ、簡単にできる支援として全国各地からファンドの申し込みが相次ぎ、購入希望者が殺到しました。
資金が集まって復興に向けて活動が本格化していく様子や、ついに店が再興して、商売も軌道に乗り出していくさまを、ときおりの報告や写真をネットで伝えてくれたり、製造した産品を送ってくださったり、顔の見える関係が心地よい支援として、今なお人気があります。
金融を通じて持続可能な社会の発展を考えるよい機会にもなるものです。

最近ではふるさと納税が人気を集めていますが、これも同様のものと捉えることができます。
居住地ではないけれど、縁のある土地、応援したくなるような自治体に寄付をします。
そうすると、やがて地元の特産品などが送られてくるばかりでなく、確定申告で寄付金控除(多くの場合、寄付金額マイナス2000円)も受けられるところが人気で、各自治体も工夫を凝らしています。
全国カタログまであってある種の通信販売の様相を呈している面もありますが、リターンもある新しい支援の形と言ってもよいでしょう。

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